SoLの活動は世界中に様々な広がりを見せ、世界には数多くの実践家が存在します。ここではそのうちのいくつかをご紹介致します。
アメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)のデニス・メドウズ博士を中心とした研究チームが、コンピュータ・シミュレーションで弾き出した結論は衝撃的でした。「人口増大や経済成長を意識的にコントロールして急速にペースダウンしない限り、21世紀の半ば近くに人類は深刻なカタストロフィに直面する。世界人口は半減し、工業はストップする。技術開発や新たな資源・エネルギーの発見によってこの危機を回避することはできない。地球環境は有限であり、自然の再生能力には限界があるという当たり前の事実は決して動かすことはできない」と指摘しました。
警告にも関わらず、このレポートから40年近く経過した今日においても、未だ人類は意識的に経済成長をコントロールすることができません。例えば世界中の人が日本人と同じ生活をするには、地球は2・3個必要だということが明らかになりました。今や『成長の限界』が指摘したカタストロフィの時期は、目前に迫っています。どうすればいいのでしょうか?
先日(2010年9月)、来日したデニス博士は、あらためて以下のように訴えました。
結局は一人一人がどう行動するかがカギなのです。地球の存続にとって、もはや環境問題が無視できないレベルに達しています。
Libral Utopia 持続可能な社会へ http://www.ihope.jp/ より引用
ジョセフ・H・ブラグトン氏は、企業価値を計る物差しとして、資本資産ではなく、「生きている資産(Living Asset Stewardship:LAS)」を優先させるLAMP(Global Living Asset Management Performance )インデックスを提唱しました。
成熟産業であるにもかかわらず、業績を上げている企業に共通するのは、従来の資本主義の考え方とは逆に、「生きていない資産」 (資本・資産)よりも「生きている資産」(人間と自然界)のほうが企業の生産性と持続性にとっては、“はるかに重要”とする考え方です。
LAMP企業に共通して見られる理念・方針の特長は以下の通りです。
つまり、人間と自然界とが生命の網の目の中で密接につながっていることに重きを置く「システムの理論」とも合致し、目標ではなく、手段を重視する経営を行うという企業文化を持っています。
ブラグトン氏は、LASのもつこの経済的な潜在力を検証するために、研究事例として60の世界的なLAS先進企業からなるGlobal Living Asset Management Performance (LAMP)Index TMを構築しました。このインデックスの過去10年間(1996-2005年)における年率ベースのリターンは、MSCIワールド・インデックスの2倍を超え、さらにS&P500をも大幅に上回りました。LAMPインデックスの優れたパフォーマンスが証明されたわけです。
企業価値を測るモノサシとして、資本資産よりも「生きている資産」を優先させることは、コペルニクス的なパラダイムシフトです。今日、世界の文明が人口の爆発的増加や地球上の環境収容力の低下による閉そく感に陥っている中で、私たちの思考や創造性を駆り立てるのは、生命を尊重し、私たちが大事にしている人やものを大切にする、つながりをもった組織です。組織でのスチュワードシップの深まりは、私たちの思考能力を飛躍的に高めてくれます。
出典: Change Agent, ニュース&トピックス“Reflections”から(1)―『生命のための利益』より抜粋
原典: "Profit for Life: How Capitalism Excel", Reflections Vol. 7.3 pp.55-72, Society for Organizational Learning (2006)
U理論とは、起こりうる最良の未来を実現するプロセスです。起こりうる最良の未来を実現した人々がどのようなプロセスを経て、その未来を実現したのかを研究し、作り上げられたのがU理論です。欧米では、すでに、多様な領域(商品開発、事業開発、社会イノベーション、国際紛争、環境問題、貧困問題、医療問題、食料問題等の解決)において活用されています。2008年に3rd SoL Global Forum @Muscat, Omanに参加した際に、多くの参加者がU理論について語っていました。2010年4月、U理論の開発者の一人 アダム・カへンのCHANGE LABに参加した時も、U理論のプロセスを体験しました。2010年からは、青山ビジネススクールにおけるアントレプレナーシップの講義にも、U理論を盛り込んでいます。

出典:チェンジ・エージェント ニュース&トピックス:『オットー・シャーマー「U理論」の要約』
http://change-agent.jp/news/archives/000133.html
『出現する未来』の英語のタイトルは、PRESENCE。PRESENCEは、ピーター・センゲ教授と、U理論の著者でもあるオットー・シャマー教授の二人による造語です
PRESENCE = PRESENT + SENSING
『現在』と『起こりうる最良の未来』が結び付くことで、起こりうる最良の未来が出現します!
